-黒澤作品を好きになれる情報や豆知識が満載!-
生きる2

黒澤明の残した映画は30本。そのうちの21本、作品監督のデビュー作「姿三四郎」から「影武者」まで40年近くに渡り出演しているのが志村喬です。
「俳優は絶えず新しい役に取り組ませないと水をやらないの植木のように枯れてしまう」
そう考えていた黒澤はそれぞれタイプの異なる役柄で志村を起用しています。

黒澤にとって重要なもう一人の俳優三船敏郎との競演は15作。
動の三船と静の志村、黒澤は様々な作品で二人の個性を対比させ名作を生みだします。
厳しいことで知られる黒澤の演出。納得がいかないと何十回もやり直しをするのは当たり前。
“起用に演じるな”
それに的確に答え自然体で演じたのが志村喬なのです。
その志村が主演し人間ドラマの傑作と言われているのが「生きる」です。
この時志村の年齢は47歳。俳優としてもっとも輝いていた時期でした。

「生きる」の演技は国際的にも高く評価され名作「七人の侍」の勘兵とつながっていくのです。
・市役所のセットに軽トラック3台分もの古い書類を運び込む。
・新品の壁、小道具に至るまで靴墨で汚しリアリティを出す。
・黒澤明は演技で悩む志村喬に老いた孤猿の写真を渡して
 「これがお前なんだ。無心にこれに近づけ」とアドバイスした。
・「ゴンドラの唄」には「この世の歌とは思えないような声で歌ってくれ」と志村に注文した。
・スティーブン・スピルバーグ監督のドリームワークスによるリメイクが企画が進行中。