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悪化する戦局を受けて戦意高揚を目的とする映画作りが求められていた。 黒澤監督にも求められました。戦争を賛美することなく映画を作ろうと黒澤は決める。それで作ったのが「一番美しく」です。

黒澤の数少ない女性映画の一つ。「男性映画の黒沢、女性映画の木下」と呼ばれてたよきライバルの木下恵介監督は黒澤映画の中でこの「一番美しく」が一番好きだと言っています。

黒澤はこの作品で大胆な演出方法を試みた。21名の若い女優を工場の寮に住まわせ実際の作業を体験させる。今日では珍しくないかもしれませんが、当時としては若い女優たちが相手だからこそできた演出術です。

のちに文芸評論家の奥野健男(おくのたけお)は「曇り空から青空を見るような、明るい憩いと、美しさと、夢を与えてくれた。黒澤明の最大の傑作ではないか」と語っている。

主役を演じた矢口陽子(やぐちようこ)は役柄と同じく若い女優たちのリーダーとして人望を集めていました。
そのため、現場で度々黒澤監督と衝突をおこす。黒澤は「なんて強情で頑固な奴だ」と思う。

その矢口陽子は翌年女優を引退します。

黒澤監督の妻となるためでした。