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静かなる決闘

敗戦の混乱から人々がようやく抜け出さそうとしていた昭和24年。東宝では会社と労働組合が激しく対立し撮影所が機能せず、映画制作も年に数本だけ、監督のとっては最悪の状況でした。

嫌気がさした黒澤は成瀬巳喜男(なるせみきお)等と共に映画芸術協会を設立。東宝を去ります。
慣れ親しんだ場所から離れ、新しい一歩を踏み出すことになったのです。

チャンスはすぐに訪れます。助監督時代度々脚本を書いたことがある大映で映画を撮ることに。
それが「静かなる決闘」です。

黒澤は周囲の反対にも耳を向けず酔いどれ天使で荒々しい演技をした三船敏郎に今度はまじめな青年医師を演じさせます。
三船は一人苦悩する青年医師を好演し期待に答えました。

この映画で黒澤は初めての経験をします。クライマックスともいえる三船と千石規子(せんごくのりこ)との場面、
「やがて三船の眼から吹き出すように涙がこぼれ落ちだした時 私の傍らの二台のライトがガタガタ鳴り出した。
私の身体(からだ)が震えて 踏んばった足の下の二重を通してライトを振るわせているのだ」(蝦蟇の油より)
黒澤はこの時震えるほどの興奮に感じたのです。

いつも冷静に演技を見ている黒澤にとって後にも先のもこれきりの経験でした。
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